手錠

逮捕されると手錠をかけられるイメージが強いかと思いますが、実は手錠をかける行為そのものが逮捕ということではありません。僕は手錠をかけられずに逮捕される場合もある、という事例を何度か見たことがあります。では、手錠をかけるのは一体どういった状況なのかを浅野総一郎が検証していきましょう。

手錠をかける目的とは

被疑者が逮捕される時にかけられる手錠は、手首にはめて腕の自由を奪い逃走や暴行、自殺などを防ぐために用いられている器具です。逮捕だけでなく暴れている泥酔者を保護する際など、危険な状況に使用する場合もあります。手錠をかけられてもまだ犯罪が確定していない被疑者もおり、逃亡する可能性がある場所にだけ手錠をかけられることもあります。具体的には留置所から外に出るタイミングなどが多いでしょう

手錠の性質について

手錠は被疑者の手の自由を奪うことのできる器具ですが、下半身は制約が加えられないため場合によっては逃走することも可能です。大きく腕を振ることはできなくても、衣類のボタンをはめたりすることは容易にできます。完全に逃走を防ぐことはできませんが走ることに制約がつきまとうことと、体のバランスが取りにくいといった性質が見られます。現代では運行用の手錠には捕縄で両手を腰部にくくりつける装着方法が導入されていることが多く、より行動を制限させることも可能です。逃走した場合は、被疑者を示す格好の目印にもなりますし自身では外せない構造となっています。

「逮捕」と「手錠」は必ずしも一致しない

逮捕とは被疑者の身柄を拘束するという強制処分の一種です。被疑者の自由を奪い一定期間に渡り拘束が続けられることを意味しています。そもそも逮捕の目的は被疑者の身柄を確保し、証拠隠滅防止をすることです。逃亡したり証拠やアリバイを隠したりするなどの可能性がない場合は逮捕する必要もなく、在宅捜査によって刑事手続きは済ませられるはずです。

警察や検察が逮捕状を取り被疑者の居所に向かう場合は、ほとんどの場合手錠をかけられて逮捕されることが多いので、逮捕される=手錠をかけられるというイメージが強くなってしまうのではないでしょうか。

被疑者を逮捕する時は手錠をかけなければならないといった認識が未だに残っていますが、実際は誤った認識であることが理解していただけたかと思います。僕は昭和時代、被疑者が連行される時の手錠姿をテレビや新聞で目にしていましたが、近年では一目に触れないよう手首にタオルをかけたり、手錠隠しの専用カバーを装着したりするようになってきているようです。